読む映画
「感想」に毛の生えた程度のレビューをシコシコ書いています  ネタバレだらけなので、未見の方はご注意ください~
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その男ゾルバ
1964年 ギリシア・アメリカ合作
テレビ録画にて観賞
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 名作「道」の印象が強いアンソニー・クイン主演作。その程度の知識しかなかったが、実はギリシアを舞台とした代表的な作品のようだ。アテネオリンピックが開催された今年、ギリシア映画特集として放送されたのだろうが、録画の際にはまるで気が付かなかった。

 舞台はエーゲ海に浮かぶクレタ島。ギリシア人の父を持つイギリス人作家・バジルが、父の遺した土地の始末のためにクレタ島を訪れ、豪放磊落なギリシア人・ゾルバと出会う。
 何事にも慎重で、とかく思い悩むバジルと、自らが感じるままに行動し、ストレートに感情を爆発させて生きるゾルバの対比が面白い。何もかもに失敗し、どうにもならなくなった二人が、海岸で奇妙なゾルバ・ダンス(?)を踊り狂うラストシーンは、「生きる」ということの意味を考えさせてくれる、いい場面だった。

 この作品で最も印象に残ったのは、クレタ島に住む人々の描かれかただ。冒頭こそ、外国人であるバジルを歓迎する素朴な人々として描かれているが、その内実は暗鬱なものであることが暴かれてゆく。若き未亡人に対し、村中の男たちは欲望をたぎらせ、思いが遂げられない男たちは彼女を憎むようになる。彼女に思いを寄せる若い男が、失意のあまり自殺するや、村中の男も女も、老いも若きも、彼女を追い詰め、石を投げ、ついには刺し殺してしまう。また、村でアウトサイダーとして生きるフランス人マダムが死の淵にいると知った村人たちは、マダムの家へ押しかけ、マダムが亡くなるや彼女の財産をすべて掠奪してしまう。

 何ともやりきれない描き方で、気分が悪く、恐怖すら覚えてしまう。ギリシアの人々は、ローマ帝国やオスマントルコをはじめ、歴史的に様々な民族に征服され、抑圧されてきたがために、どこか屈折したところがあるというが、この描かれかたをみると、なるほどと思ってしまう。

 残念だったのは、この作品がモノクロ作品であるという点。クレタ島の空や海の青さ、山の雄大さと、人々の暗さが、カラーであればなおいっそう際立っただろうに、と思う。

 全体的に暗澹たる印象のある作品だが、ゾルバを演じるクインの、底抜けの陽気さと笑顔と人間的魅力が、この作品を暗い文芸作にさせずにいる。「道」でのザンパノと同じくらい、この作品でのゾルバはクインの魅力いっぱいのキャラクターだった。
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