読む映画
「感想」に毛の生えた程度のレビューをシコシコ書いています  ネタバレだらけなので、未見の方はご注意ください~
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ライムライト
1952年 アメリカ映画
テレビ録画にて観賞
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 チャップリン晩年の名作。
 「殺人狂時代」「モダンタイムス」といった、全盛期のサイレント作品とはかなり趣を異とする作品。サイレント作品にあったようなパワーが感じられない。しかし、老境に入ったチャップリンならではの、リリシズム溢れた素晴らしい作品だと思う。

 1952年当時、赤狩りの嵐の吹き荒れたアメリカにあって、チャップリンは不当にも共産主義者のレッテルを貼られ、国外追放の危機を迎えていた。そんな時代の作品なのである。
 この作品の主人公カルヴェロは、チャップリンそのものなのだろう。落ちぶれて日の目を浴びなくなった喜劇俳優を、チャップリンは自分の姿を重ね合わせながら描いたのだろう。
 かつてスーパースターとしてハリウッドでもてはやされたチャップリンも、この時期はさんざんな目に遭っている。チャイニーズ・シアターの手形には嫌がらせのゴミがうず高く積まれ、やがて撤去されるに至ったという。

 こういうムーブメントというのは恐ろしいと思う。時代の趨勢による集団催眠状態というのは、日本では特に頻繁に見られることだが、アメリカも例外ではないのだろう。この時代の赤狩りにしても、最近のイラク・アフガン政策にしても・・・多数意見が少数意見を飲み込み、圧倒的な力が時代を席巻する。
 この作品も、アメリカでは上映禁止の憂き目に遭った。イギリスでの上映のためイギリスに渡ったチャップリンは、船上でアメリカへの再入国を認めない電報を受け取ったという。つまり追放されたのだ。

 チャップリンは、かつて自分を称え、尊敬してくれていたアメリカが、手のひらを返したように冷淡になり敵意を剥き出しにしていることに、深い絶望感と悲しみを覚えていたのではないだろうか。
 そんな心境にあったチャップリンが、「それでも人生は素晴らしいのだ。生きなくてはならないのだ」と、自分を励ますように創った作品なのかもしれない。

 この作品、主人公カルヴェロは人生論を何度も口にする。「説教臭い」と普通なら感じるところだが、チャップリンの当時の状況を思えば、その言葉一つ一つに説得力があり、心のこもった言葉であることがわかる。

 そうそう、チャップリンと言えばいつも付け髭に山高帽に濃いメイクだったが、この作品ではほとんど素顔のチャップリンが見られる。

 チャップリンの自伝をとても読みたくなった。チャップリンの想いをもっと知りたい。
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