読む映画
「感想」に毛の生えた程度のレビューをシコシコ書いています  ネタバレだらけなので、未見の方はご注意ください~
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ブラディ・サンデー
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2002年 イギリス・アイルランド合作
テレビ録画にて鑑賞
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 ブラディ・サンデー、つまり「血の日曜日」を描いたドキュメンタリータッチの作品です。
 「血の日曜日」というと、ロシア革命以前のロシア・サンクトペテルブルクで起こった事件を思い起こしますが、この映画の舞台はその「血の日曜日」ではありません。
 1972年1月、北アイルランドのデリーという街で起こった事件が舞台です。

 調べてみると、「血の日曜日」と呼ばれている事件は、たくさんあることがわかりました。
 古いほうから順に挙げると、1887年のロンドン、1900年の南アフリカ(ボーア戦争時)、1905年のサンクトペテルブルク、1913・1920年のダブリン、1939年のビドゴシチ(ポーランド)、1939年のワルシャワ、1965年のアメリカ、1972年のデリー(以上Wikipedia参照)。

 いろいろな背景があるのですが、多くはデモ行進に対する弾圧事件を指しているようです。
 この映画で描かれている北アイルランドのデリーでの事件も、やはりデモ行進に対する弾圧事件です。

 北アイルランドといえばIRA。カトリック系住民とプロテスタント系住民(および政府)との激しい対立、という構図があります。
 だから、IRA主体の激しい抗争に対する弾圧なのかな、と思ってしまいがちですが、どうもそうではなさそうなのです。

 アメリカの公民権運動の影響を受けた、極めて平和的なデモ行進に対しての、無差別発砲事件。そんな酷いことがどうして起こったのかを描いているのです。

 この映画を観てまず感じたことは、イギリス国軍側の緊張感の過大さです。まるで戦争の最前線にいるかのような緊迫感・高揚感を兵士たちは感じていて、若者たちからの投石を受けながら、上層部からの指示を今か今かと待ち望んでいる。
 そして、反撃開始の指示を受けるやいなや、千切れんばかりに伸びきったゴムのように、一気に進軍。「後追いをするな」との指示があったにも関わらず、「相手が銃撃している」と思い込み、丸腰の市民を次々に虐殺する。

 とうてい許されることではありません。しかし、IRAという武装勢力が紛れ込んでいる街の最前線で体を張っている兵士が暴発するのは、理解できないことではありません。
 問題は、本来戦争の最前線にいるはずのエリート部隊であるパラシュート部隊が、なぜデモ行進と対峙する配置をされていたのか。なぜそんな部隊に、進軍の指示を出したのか、というところでしょう。

 イギリスという国は、こういった問題には極めて対処が上手いと思っていたのですが、こんな大きな過ちを、しかも1970年代に起こしていたとは、驚きでした。

 案の定、この「血の日曜日」事件はIRAのテロ活動が市民に受け入れられる素地を作ったようです。
 丸腰の市民、多くは10代の若者たちが、エリート兵士たちによって目の前で虐殺されたのですから、「暴力には暴力で」という方向に向かって当然です。

 イギリスらしいやり方で、カトリックの公民権運動に対処していれば、今日まで続くIRAとの泥沼の戦いはなかったのではないでしょうか。
 少なくとも、デモの主導者である国会議員(プロテスタント系)は、本気で平和的に解決する方法を模索していた。
 その動きをつぶして、IRAの勢力増長を助けてしまった、大きな分岐点になったようです。

 ドキュメンタリータッチの社会派映画なので、娯楽性には乏しい作品です。しかし、北アイルランドの紛争がなぜ今まで延々と泥沼化してきたのか、ということを知るためにはとてもいい映画でした。

 エンドロールで、裁判では軍隊の行為が正当化されたこと、発砲した兵士たちが誰も処罰されなかったこと、指揮した士官たちが女王から叙勲を受けたことなどを指摘しています。また、作中でも士官に「首相は”暴動はもううんざりだ”と言っている」と言わせ、首相の意向をくんで士官たちが動いたことを示唆するなど、メッセージ性の極めて高い作品でした。
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オールド・ボーイ
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2003年 韓国映画
テレビ録画にて鑑賞
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 この映画、日本の漫画が原作なんですね。知らずに観てしまいました。
 つい数年前までは日本文化の流入を頑なに拒否しようとしていた韓国で作られたというのは、隔世の感があります。

 主役のオ・デスを演じるチェ・ミンシク、敵役のウジンを演じるユ・ジテ、ヒロインのミドを演じるカン・ヘジョン(ちょい中島朋子似)、みんな体当たりの熱演でした。
 特にチェ・ミンシクの熱演ぶりはすごく、アタマからなかなか消せないほどの印象度でした。

 でも、ちょっと後味が悪すぎるというか・・・。
 人間心理の深層を抉りとろうとするような深みのある作品であれば、後味の悪さもガマンできるのですが、この作品はあくまで娯楽作品。
 観終わった後、「復讐」「近親愛」といったテーマについて考えるような作品ではありません。
 だから、ただ後味の悪さを感じてしまう。悪趣味な映画だな、とすら思ってしまいました。

 最後のドンデン返しにはハッとさせられたし、それなりに引き込まれたんですけどね

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1995年 アメリカ映画
テレビ録画にて鑑賞
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 ラブロマンスが苦手な私ですが、レビューサイト等で非常に評価が高かったので、観てみました。

 アメリカ人の青年とフランス人の少女(といっても20代?「青年」に呼応するいい表現って無いものなのかな)とが、ヨーロッパの列車のなかで偶然出会い、たった一日を過ごす。
 出来過ぎの設定と感じる向きもあるかもしれませんが、20代の若い二人なら、十分にありえる話。
 二人で街に降りるというところが大きなポイントですが、二人の心の動きがちゃんと描かれていて、不自然さはありませんでした。

 降りた街がウィーンだってのもイイですね。ロマンティックな日常風景を背景に、二人だけの一日が延々と描かれていきます。
 ウィーンという魅力的な街なのに、二人にはお互いのことしか見えていない。でも、それがよかった。
 二人とも、美男美女ではあるんだけど、浮世離れした美男美女ではなく、街にいくらでもいそうなカップルに見えたのも、よかった。

 二人は延々と、ほんとに延々と話し続けます。それは、翌朝には別れなくてはいけないということを知っているから。
 お互いのことをもっとよく知るために、自分のことを知ってもらうために、ほんとにこの二人はよくしゃべります。

 そして、その会話の内容が、他愛の無いことではなくて、ちょっと知的な会話だったりします。
 世界について、人生について、二人は熱っぽく語ります。
 日本の街角で若い男女二人がこんな会話をしていれば、きっと「オタク臭え」と毛嫌いされてしまうでしょう。日本映画でこういう演出があったとしても、きっと「ウソ臭え」と一蹴されてしまうでしょう。

 でも、この二人の会話は自然に受け入れられてしまう。日本と欧米の文化の違いなのでしょうか。
 あるいは、ウィーンという舞台装置が効果的なのかもしれません。ロサンゼルスやらシカゴやらだと、やっぱり浮いた二人になってしまうでしょうし。

 二人の会話についていくのには苦労しましたが、静かで自然体な、いいラブストーリーでした。
 

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2004年 アメリカ・ハンガリー合作
テレビ録画にて鑑賞
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 妻に逃げられたサエない男のお話。
 アメリカ映画らしからぬ抑えた演出は好感が持てます。でも、ちょっと主演のマイルスに魅力が無さすぎ。
 サエない男という設定はいいとしても、イジけてばかりで不貞腐れてばっかりいて、イタすぎる。
 延々と不貞腐れた顔ばかり見せられると、ちょっとげんなりします。

 マヤという、知的でキレイな女性と知り合って、いい関係になるのですが、マヤがマイルスを好きになるのが嘘くさい。
 ルックスも中身もサエない、ワインのウンチクばかり語りたがる男って、仮に作家だと騙されていたとしても、惚れたりするものなのかなぁと疑問を感じてしまいました。

 ワイン通で知的なところをアピールできていればいいのだろうけど、自分の気に入らないワインをあからさまに罵倒してみたりする、オトナになりきれていない姿ばかり見せていたのだから・・・。

 こういう、さり気ない演出の映画は好きなほうなのですが、マイルスのダメさ加減にうんざりするばかりの作品でした。
 マイルスと、親友のジャックとの関係は良かったんですけどね。

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