読む映画
「感想」に毛の生えた程度のレビューをシコシコ書いています  ネタバレだらけなので、未見の方はご注意ください~
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ビッグ・フィッシュ
2003年 アメリカ映画
テレビ録画にて鑑賞
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 死に瀕した父親を理解するために、息子が父の生涯を追いかけようとする。
 ティム・バートンらしくもない設定ですが、映像はやはりティム・バートン。
 空想の世界に生きた父親のキャラクターも、やはりティム・バートンならでは。

 でも、なんだか退屈でした。
 ユアン・マクレガー演じる、若い頃の(空想の混じった世界の)父親はとってもチャーミングでした。
 その一方で、年老いてなおホラ話ばかりしている父親に、あまり共感を覚えなかったからかもしれません。
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テーマ:映画感想 - ジャンル:映画

ミュンヘン
2005年 アメリカ映画
立川シネマシティにて鑑賞
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 ユダヤ人であるスピルバーグが描いた問題作。
 ミュンヘンオリンピックでのイスラエル選手団殺害事件、いわゆる「ブラック・セプテンバー事件」が題材。
 しかし、描写の大半は、この事件そのものではなく、その後のイスラエルによるパレスチナテロリスト暗殺についてです。

 スピルバーグは、この映画を公開したことで、アメリカのユダヤ人社会では散々に非難されています。
 「パレスチナのテロリストを人間的に描きすぎている」と。

 これはスピルバーグの思惑どおり、想定内の反応でしょう。
 スピルバーグはあえてパレスチナのテロリストを人間臭く描いたのでしょう。同時に、イスラエルの暗殺団も、とても平凡で人間臭く描かれています。

 そのおかげで、イスラエルによる報復行為が、とても愚かしく感じられるのです。

 スピルバーグが社会性の高い作品を描くとき、私がいつも脱帽するのは徹底したリアリズムへのこだわりです。
「プライベート・ライアン」がその最たるものでしょう。「戦場」を即物的に描ききることで、戦場の恐ろしさが迫ってくるように思えました。オマハビーチの上陸作戦で感じた恐怖、街中の白兵戦で突如戦車が地響きを轟かせて現れたときの恐怖は、今でも忘れることはできません。

 この作品でもリアリズムへのこだわりは徹底しています。
 例えば、オリンピック村での一部始終も、かなり細部まで現実に即しています。「ブラック・セプテンバー 五輪テロの真実」というドキュメンタリー映画で観た実写映像と、瓜二つでした。
 また、例えば銃撃戦での銃撃の数まで合致させているというのだから、すごいもんです。

 そして一方で、「テロリストを人間的に描く」というのも、リアリズムであると言えるでしょう。
 テロリストは悪魔だ、殺人兵器だ、と考えるのは主観に過ぎません。
 現実には、テロリストも人間であり、親や家族を大切に思っている善良な面を持ち合わせていたりするのです。

 しかしそれも、アメリカのユダヤ人社会には受け入れられないようです。
 あくまで彼らは「パレスチナのテロリストは悪魔だ」と喧伝しなくてはならず、それを疑問視する声を排除しなくてはならない。

 そんなことはユダヤ人であるスピルバーグは百も承知なのに、この作品を上奏してしまった。
 私は、ユダヤ人社会で爪弾きにされるリスクを覚悟して、この作品を世に送り出したスピルバーグに敬意を表します。

 憎しみは憎しみしか生まない。
 報復は、更なる報復しか生まない。
 そんなことは、例えばパレスチナ問題の埒外にいる私たち日本人には自明なことなのに、当事者たちには理解しにくいものなのかもしれません。

 必要なのは、対話すること。
 お互いがお互いのことを知り、互いの立場や心情を理解することだけが、和解への道なはず。

 パレスチナ問題でも、こんなことはわかりきっているはずなのに、実際にはなかなか進展しない。

 この作品は、一向に解決への道が示されないパレスチナ問題への、スピルバーグなりの意思表明のように思えました。

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アイ・アム・デビッド
2004年 アメリカ映画
テレビ録画にて鑑賞
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 1950年代初頭、ブルガリアの強制収容所に収容されていた少年が、脱走して単身デンマークを目指すというお話。

 そもそもなぜデンマーク人の少年が、ブルガリアの強制収容所に収容されていたのでしょう。
 そこのところの説明がまったく無かったのは、ちょっと残念でした。親が政治犯として囚われたから、というのはわかるとしても、「なぜデンマーク人がブルガリアで政治犯として囚われたのか」ってところがわからないのです。

 もともと原作が児童文学とのことなので、政治や歴史についての突っ込んだ描写は無かったのでしょうが、映画にした以上は、そのへんの説明は欲しかったなと思います。

 とは言え、なかなかいい作品でした。
 収容所に育ち、残酷な体験ばかりしてきた少年が、長い旅のなかでたくさんの人に出会って、変わっていきます。
 笑い方すら知らず、人を信用することができない少年が、人を信じる生き方を知っていくのです。
 「収容所」という異常な世界で壊れかけていた少年の、再生の物語なのです。

 展開はちょっと粗くて、ご都合主義的な演出も多々あり、「ああアメリカ映画だなぁ」と感じましたが、もともと児童文学なのだから、リアリティを求めてはいけないのでしょう。
 そもそも「ブルガリアからデンマークまで少年一人で旅をする」ということ自体にリアリティは無いわけですから。

 一種のファンタジーとして観るべきなのかもしれませんね。
 そう考えれば、ブルガリアでなぜデンマーク人が収容されていたのかという政治臭プンプンのポイントは、あるいは描写を省いて正解だったのかもしれません。

 こういう、「人生は素晴らしいものだ」と伝えようとしている作品は、欠点がいくつもあったとしても、全部許せちゃえます。

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