読む映画
「感想」に毛の生えた程度のレビューをシコシコ書いています  ネタバレだらけなので、未見の方はご注意ください~
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マッハ!!!!!!!!
2003年 タイ映画
テレビ録画にて観賞
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 最近目にすることも増えてきたタイ映画。
 東南アジアは、アジアのなかでは映画不毛の地域だというイメージを持っていましたが、昨今のタイ映画はなかなかいいです。
 バンコクという国際的な歓楽都市で揉まれた若い才能が、続々と芽を出しつつあるのかもしれませんね。

 この作品は、とことんアクション映画です。
 強いて言えば、ブルース・リーやジャッキー・チェンと言った香港カンフーアクションの影響を受けているのかもしれませんが、純粋にアクションのみで観れば、この作品のほうが素晴らしいように思えます。

 とにかく、主人公ティンに扮したトニー・ジャーのアクションが抜群に素晴らしいです。
 もしかしてホンモノのムエタイ・ファイターかと思ってしまったくらいに素晴らしい。彼のパンチとキックの切れ味は本物です。
 トニー・ジャーのアクションを観るだけでも価値があります。いや、逆にそれ以外には価値はないかもしれません。ストーリーは陳腐だし、演技が上手いとはお世辞にも言えないし、演出もとても荒削り。
 でも、そんな欠点を吹き飛ばすほど、トニー・ジャーのアクションはド迫力でリアリティに溢れていました。

 「ムエタイの使い手」という設定も良かったのでしょう。
 昨今の総合格闘技ブームで、私たちはムエタイの凄さをいやというほど知っています。
 だから、本当に強いのか疑わしいカンフーよりも、ムエタイのほうが凄みを感じるのです。

 バンコクを知っている人なら、カオサンの多国籍的な胡散臭さにニンマリとしたのではないでしょうか。
 私は、「こんな賭けストリートファイトはなんかさすがにないだろ」と思いながらも、ニンマリしてしまいました。
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亀も空を飛ぶ
2004年 イラク・イラン合作
岩波ホールにて鑑賞
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 あまりに衝撃的な作品でした。
 監督は、「酔っぱらった馬の時間」で「初めてのクルド語によるクルド映画」を世に送り出し、なかなか実態として知られることのないクルド人の厳しい生活ぶりを描いたバフマン・ゴバディ監督。
 今作では、「酔っぱらった馬の時間」をはるかに超えた衝撃を与えてくれました。

 まず印象的なのが、子どもたちの過酷な生き方です。
 この作品は、村の少年たちのリーダーである「サテライト」と呼ばれる少年と、難民として村にやってきた孤児である3人兄弟を中心に、子どもの目線から描かれています。
 少年サテライトに率いられる村の子どもたちは、日々地雷掘りに精を出しています。
 それも、探知機などを持っているわけではなく、地雷原のなかに生身で飛び込んでいくのです。
 過去に地雷で手足を失った少年たちも、当然のように地雷掘りの作業をしています。
 足を失った少年は松葉杖を使いながら、そして両手を失った少年は地面に這いつくばって口で信管をはずします。
 取り外された地雷は、サテライトがブローカーに持ち込み、売りさばきます。戦争が始まってからは、地雷を市場で機関銃に交換したりさえしています。
 そんな、どう考えても異常なことが、当たり前のように行われている。
 でも子どもたちは、そんな過酷な状況下にありながらも、案外と子どもらしいままなのです。
 大人たちも子どもたちも、当然の「仕事」として受け入れているのです。
 「子どもをそんな危険な目に合わせるなんてけしからん」と批判するのは簡単です。
 でも、そんな批判なんて何の意味も持たないほど、フセイン政権下のクルディスタンは過酷な状況下にあったのだと思います。

 難民として村にやってきた孤児の三人兄弟が、その過酷さを体現しています。
 イラク国軍の襲撃により父母は死亡し、お兄ちゃんは両手を失う。
 妹は、まだ小学生くらいの年齢であるにも関わらず、兵士たちに輪姦されてしまう。
 そして、目の見えない一番下の男の子は・・・。
 妹は男の子を毛嫌いし、最終的には悲劇的な結末につながるわけですが、彼女の行為を非難することは誰にもできないでしょう。
 我が身に降りかかった悲劇を受け止め昇華していくには、彼女はあまりにも幼かったのです。

 私たちは、アメリカによるイラク戦争が「正義の戦争」では決してなかったことを知っています。
 しかし、少なくともクルド人たちにとっては、「フセイン政権を打倒した」正義の戦争だったのは確かなのです。
 イラク戦争はアメリカの独善だと私は考えていますが、一面では正義であったという事実も無視してはいけないのだと戒められた思いです。

 ただ、そもそもフセイン政権があれだけの強大な権力を保持できた背景には、アメリカの謀略があったという一面もあります。
 自らが支援していたはずの「ならず者国家」を、「核兵器を保持している」というデタラメな大義名分を盾にゴリ押ししたのが、アメリカによるイラク戦争。
 クルド人たちは、進駐してきたアメリカ兵たちを手放しで歓迎しますが、本来的には彼らクルド人はアメリカの謀略に振り回されて苦しんできたとも言えるのです。

 アメリカに憧れていたはずのサテライトが、進駐してきたアメリカ兵たちに背を向けるラストシーンが、とても印象的でした。

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ティム・バートンのコープスブライド
2005年 イギリス映画
TOHOシネマズ南大沢にて鑑賞
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 妙な顔したキャラクターのアニメだなぁという程度の認識でしたが、レビューサイトでなかなか好評だったので観てみました。

 コープスというのは「死体」ということなんですね。
 結婚間近の花婿が、死体とムリヤリ結婚させられそうになるという、かなり悪趣味な設定です。
 花嫁は目玉がポンと飛び出して中から蛆虫が出てくるし、バーのマスターは頭だけの姿だし、よくよく考えれば気持ち悪い死体のオンパレードなのです。

 でも、その気持ち悪い世界をファンタジー溢れる世界に転化して感動させてくれるのが、ティム・バートンの凄さでしょう。

 ストーリーは特別ひねったところもなく、先もある程度読めてしまいましたが、それでも十分に楽しめました。
 ほぼ同時期に上映されていた「チャーリーとチョコレート工場」よりもこちらのほうが、ずっとティム・バートンらしくて、私は好きです。 

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地球で最後のふたり
2003年 タイ・日本・シンガポール・オランダ・フランス合作
テレビ録画にて観賞
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 タイと日本とシンガポールとオランダとフランス合作という変わった作品。内容もずいぶんと風変わりです。

 監督はタイ人で、主演は浅野忠信だが舞台はタイ。
 予備知識ゼロで観たので、舞台がタイだということにはしばらく気づかなかったし、浅野忠信が何者なのかもわかりませんでした(結局最後まで不明)。

 とにかくいろんな説明を端折っているので、わかりにくい部分が多すぎたのは確か。浅野忠信はなぜバンコクにいるのか。なぜ自殺しようとしていたのか。ノイはなぜ妹と二人きりで生活しているのか・・・。
 不思議な時間が流れていくのですが、舞台がバンコクなために「非現実的」と断じることもできません。
 浅野が実兄であるヤクザたちを殺して部屋に放置していることも、見ず知らずのタイ人女性ノイの家に上がりこんでしまうことも、ノイの元恋人が嫉妬のあまり浅野を殺害しようとすることも、「バンコクならありえる」と思えてしまうのです。

 浅野と、ノイを演じたシニター・ブンヤサックの二人の存在感がよかったです。片言の英語でしかコミュニケーションを取れない二人のやり取りが、ピュアで心地よかったのです。彼ら二人が、背中にすさまじく重いものを背負いながら生きているから、なおさらそう感じたのでしょう。

 一昔前の香港のウォン・カーウァイを彷彿とさせる、静かで不思議で混沌とした作品を、タイの監督が作っているというのが興味深いと感じました。
 バンコクの混沌とした魅力を、断片的ではあるものの、うまく表現されていたと思います。

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