読む映画
「感想」に毛の生えた程度のレビューをシコシコ書いています  ネタバレだらけなので、未見の方はご注意ください~
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フリーダ
2002年 アメリカ映画
テレビ録画にて観賞
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 メキシコの女性画家、フリーダ・カーロの生涯を描いた作品。
 私は過去に二度メキシコを旅行したことがあり、フリーダ・カーロの名前をたまたま知っていた。彼女がとても正視できないような痛々しい作品を創り続けていたことも知っていた。でも、正直彼女の描く絵は好きではなかった。
 それでも、この作品で描かれているフリーダの衝撃的な生涯には驚かされた。

 そもそも、フリーダがかのディエゴ・リベラ(メキシコで最も有名な画家)と結婚生活を営んでいたことも知らなかった。
 ましてや、ディエゴやフリーダがかのトロツキーを匿っていたことも知らなかったし、それどころかフリーダがトロツキーと浮気をしてしまった(これは本当かどうか怪しいと思うけど)ことなど、知るはずもなかった。

 登場人物がみな英語で会話しているというのは、メキシコを旅行したことがある人なら猛烈な違和感を感ぜずにはいられないだろう。なにせイエスやノーも通用しないような国なのだから。
 そんな根本的な欠点がありながらも、この作品は、当時のメキシコの世情を感じられる作品になっている。

 それにしても、ディエゴ・リベラの怪人物ぶりには驚かされた。彼の描く作品から、大らかでエネルギッシュな人物なのだろうとは想像していたが、大らかぶりもエネルギッシュぶりも人並み外れている。
 コミュニストでありながら政府庁舎の壁画なんていう仕事を引き受け、当然「同志」たちからは非難されてしまう。挙句の果てには資本家の巣窟と言ってもいいアメリカに渡り、かの億万長者ロックフェラーの仕事まで引き受けてしまう。
 そのくせ、ロックフェラーに依頼された壁画にレーニンの肖像描きこみ、ロックフェラーに「書き直せ」と強要されても頑として受け付けない。
 そして、醜さを「美しい」と感じ、本気で愛そうとするような男でありながら、どうしようもない浮気者でもある。絵画のモデルたちのみならず、フリーダの妹にまで手を出してしまうという節操の無さだから呆れる。

 まさに怪人物といっていい人物だが、結局そのディエゴも、フリーダの絵画の力と人間的な力には心底敬意を感じ、本気で愛し続けていたというのが面白かった。
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キッド
1921年 アメリカ映画
テレビ録画にて観賞
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 チャップリンの代表作のひとつ。「モダン・タイムス」や「チャップリンの黄金狂時代」「チャップリンの独裁者」あたりの他の代表作に比べると、批判精神は影を潜めている。メロメロのメロドラマと言っていいでしょう。

 名作中の名作との誉れ高き作品だが、今回の鑑賞では印象が薄かった。もう十年以上も前だが、大学の授業中初めて観たときには、ずいぶんと感動したんだけど・・・。

 子役の少年はとっても可愛らしくて、それを見つめるチャップリンの優しさもいい。特にパンケーキを二人で分け合って食べる有名シーンは、やっぱり素晴らしい。

 でも、ちょっと物足りないものを感じたのも確か。チャップリン映画に「笑い」を求めていたからかな。

 時期をずらしてまた観てみよう。
モハメド・アリ/かけがえのない日々
1996年 アメリカ映画
テレビ録画にて鑑賞
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 伝説のボクサー、モハメド・アリを追ったドキュメンタリー映画。
 1974年生まれの私にとっては、モハメド・アリはまさに「伝説」の人物。ベトナム反戦の観点から兵役拒否をしたということなんかは知っていても、試合をリアルタイムで観たことはない。この作品で描かれている対フォアマン戦、いわゆる「キンシャサの奇跡」は、1974年に行われたのだから。

 そんな私にとっては、この作品で描かれるアリはずいぶんとエキセントリックな人物に見える。フォアマンとの世紀の一戦を前にして、興奮状態にあったのだろうけど、やたらめったらフォアマンを「口撃」してみたり、自分を鼓舞するように異常に饒舌だったり。
 ボクサーである以前に、生来のエンターテイナーであるように描かれていた。これは好みだろうけど、僕はむしろ実直そうなフォアマンの佇まいに好感を持ってしまった。

 とは言え、アリがどうして今でもカリスマ的な人気を保っているのかは、この作品ではっきりとわかる。
 公民権運動の熱い時代を経験し、ブラック・モスレムとなったアリは、とっても政治的な意識が高かったようだ。ザイールのキンシャサで世紀の一戦が行われることについても、「アメリカの黒人がアフリカに帰還する」という視点で見ていたようだし。
 政治的な発言を抜きにしても、アリの言葉はとても刺激的でおもしろい。頭が切れる人物なのだ。

 世の格闘家たちは、こう言っては何だが、人間的な魅力を発散させている人は少ないように思える。人間臭さはあっても、一人の人間として敬意を評せるような人はなかなかお目にかかれない。アリは、数少ない例外の一人なのだろう。だからこそ、今でも語り継がれる「伝説」のボクサーなのだ。

 欲を言えば、同じく「伝説」のボクサーであり、人間的にもアリと同じくらい魅力的であるはずのフォアマンを、悪役的な描き方をしてほしくなかった。
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