読む映画
「感想」に毛の生えた程度のレビューをシコシコ書いています  ネタバレだらけなので、未見の方はご注意ください~
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
藍色夏恋
2002年 台湾映画
テレビ録画にて観賞
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 台湾の青春恋愛ドラマ。2人の少女が1人の少年を好きになって、恋と友情の間で揺れ動くという、よくあるプロット。ただし、主人公の少女が、感情の読めない「不思議ちゃん」になってしまっているのが、一風変わっているところ。

 一風変わっているのは大いに結構なのだが、この少女の描かれかたはマイナスに作用しているように思える。もっと可愛げのある子であれば感情移入もできるだろうし、逆に陰のある子であっても、陰を持つようになった原因が描かれていれば、やはり感情移入はできるだろう。
 でもこの子は「不思議ちゃん」でしかないので、この少女が何を思い、何に悩んでいるのか、まるでどうでもいいことのように思えてしまう。

 ただでさえ、告白されただ手をつなぐだの、30歳を目前に控えた身にとってはあまりに青臭い話なだけに、その上感情移入もできないとあっては、もはや彼女らの行動をぼけーっと眺めているしかなかった。
スポンサーサイト
ディープ・ブルー
2003年 イギリス・ドイツ合作
TOHOシネマズ南大沢にて鑑賞
~~~~~~~~~~~~~~~
 イギリスBBC製作の、海中の世界を描いた作品。少し前に公開された「WATARIDORI」を思い起こさせる作品でもある。

 子供の頃から「野生の王国」「わくわく動物ランド」なんてテレビ番組が大好きで、今でも「動物奇想天外」が大好きだったりする私にとって、この作品で描かれている世界は、いつかどこかで似たようなものを目にしたことがあった。それでも、シャチが捕らえたアザラシを空中多角何度も放り投げるシーン、魚の群れを追う鳥が海中に突入して潜水したままずっと魚を追うシーン、得体の知れない深海生物がレーザービームのようなものを何度も放出するシーンなど、「冗談だろ」と言いたくなるくらい信じられないシーンがいくつもあった。

 また、ペンギンが海中からロケットのように地上へ飛び出してくるシーン、浜辺のカニがミステリーサークルのようなものを作っているシーン、イワシの群れが外敵に遭遇し、まるで大きな1個の生物のように形を変えていくシーンなど、今まで何度も目にしている映像であるにも関わらず、撮影があまりにも素晴しいために感動を誘うシーンも数多くあった。

 やはり映画として時間と労力を結集し、作られただけあって、完成度はとても高いと思う。映像の力というものを改めて感じさせてくれる。それも、「WATARIDORI」とは違い、やらせが一切無い映像なのだから。

 やはりこういう作品は大きなスクリーンで観るに限る、と言いたいところだが、これだけ家庭のTVが巨大化してきた昨今にあっては、「やはりこういう作品は家庭でDVDを観るに限る」ってことになるのかもしれない。DVD化されたら、ぜひまた観てみたい作品だ。


イースト/ウェスト 遥かなる祖国
2000年 フランス・ロシア・スペイン・ブルガリア合作
テレビ録画にて観賞
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 第二次世界大戦の直後、スターリン政権下のソビエトに、フランスから帰国(移住)した親子の物語。
 当時、ソビエトはヨーロッパ中に散らばる移住者たちを国内に呼び戻すキャンペーンを行っていたようだが、これは第二次世界大戦による消耗の加え、粛清に次ぐ粛清で人材不足に陥ったソビエトを建て直すための苦肉の策だったのだろう。
 そうして移住者たちを迎えておきながら、「帰国者の90%は帝国主義者のスパイだ」と、結局はまた粛清の嵐が吹き荒れる。

 主人公家族の悲劇は、妻がフランス人だということ。妻は夫の祖国への望郷の念を汲み、フランスでの生活を捨てるという決心をする。夫のためとはいえ、スターリン政権下のソビエトに移住するというのは、非常に勇気の要る行為だと思う。
 そんな彼女も、あまりに制限され監視され、陰湿を極める日々に疲れ、やがて夫に当り散らすようになるのも無理の無いことだろう。一方、夫が自分の決断で妻や息子を苦しめる結果になったことに対し、自責の念に駈られるのも当然だ。

 夫は、何とか妻と息子がフランスへ戻れるよう機を伺うが、少しでも疑われるとすぐに逮捕され殺されてしまうので、なかなか大胆な行動がとれない。フランス人である妻は、その国家権力の理不尽さを理解することができず、夫の慎重さが消極的だとしか思えない。自然、二人の心は通わなくなってゆき、互いに不倫をするようになってしまう。

 夫は、10年の時を経て、妻子をフランスへ亡命させることに成功する。夫は、一時は心が離れたように見えても、常に妻子のことを心から想っていたのだ。

 恐るべきことに、この物語は実話がベースになっているらしい。スターリニズムの恐ろしさは知っていたつもりだが、こうして映像化されたものを見ると、やはり改めて衝撃を覚える。時代が時代なら、「反共プロパガンダ映画だ」と罵られたかもしれないが、ここに描かれているのは、まごうかたなき現実なのだ。
さよなら子供たち
1987年 フランス・西ドイツ合作
テレビ録画にて観賞
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 ナチス占領下のフランス、地方の修道院へ疎開してきた少年たちの物語。監督ルイ・マルの自伝的な作品らしい。
 ナチス占領時代を描いた作品は、それこそ数え切れないほどあるが、この作品のように淡々と日常を描いている作品には新鮮さを感じる。暴力は一切描かれていないのだが、日常生活にヒタヒタと暗い影が忍び寄ってくるのが静かに描かれ、胸が苦しくなる。

 この作品で描かれるユダヤ人少年は、少々とっつきにくいところはあるが、詩も音楽も数学もできる優秀な少年。彼がユダヤ人であることは周りの少年たちは誰も知らないにも関わらず、自然とイジメに遭ってしまうのは、ヨーロッパでユダヤ人が差別されてきたのが畏怖心の裏返しであることを示唆しているようで興味深かった。

 冒頭、たくさん出てくる少年が、誰が誰なのかまるで把握できなかった。理解力の問題と言われればそれまでだが、描写にも問題があったのではないかと思う。

 中盤、主人公のカンタン少年がユダヤ人少年と心を通わせはじめてからは、話が一気に理解できるようになり、ラストまで一気に観ることができた。一方序盤は、登場人物がわからないせいで話を理解するのに精一杯になってしまうのがもったいない。

 子供らの演技は芝居臭さがまったく無く、すごく自然体だった。ラストで主人公のカンタン少年が、ユダヤ人少年らが連行される姿をじっと見つめ、そこに誰もいなくなってジワっと目に涙を溜める。このラストシーンはとてもよかった。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。