読む映画
「感想」に毛の生えた程度のレビューをシコシコ書いています  ネタバレだらけなので、未見の方はご注意ください~
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おばあちゃんの家
 いまだ元気な韓国映画。「シュリ」「JSA」といったハリウッドばりの大作もいいが、一方でこういう地味な佳作も着実に作られているのが韓国映画界の健全さを物語っているように思う。しかもそれが興行的に成功し、400万人もの動員を記録したという。

 都会の少年が、田舎のおばあちゃんの家に居候するという、ただそれだけの話。特段大きな事件が起こるわけではなく、少年とおばあちゃんの不器用なやりとりが丹念に描かれる。

この少年がまた、どうしようもないワガママなクソガキで、自分のことしか頭にない。おばあちゃんを「バカ」呼ばわりするわ、おばあちゃんのカンザシを盗んで、携帯ゲームの電池を買うために売ろうとするわ、もうやりたい放題。

 母の手一つで、あまり愛情を受けずに育ってきた子らしいので、この少年がクソガキになったのもやむを得ないのかもしれない。しかし、どうしてもこのクソガキのわがままぶりには腹が立ってしかたがなく、感情移入などできなかった。どうせ私は心が狭い。

 しかし、だからこそ、そんなどうしようもない孫に対して、無条件の愛情を捧げるおばあちゃんの生き方には、グッときてしまう。血の繋がった孫というのは、こうも無条件に愛せてしまうものなのだろうか。

 主人公の少年は、テレビにも出ている子役俳優らしいが、その他のキャストはみな素人。そのせいか、むしろ少年の芸達者ぶりが、作品のなかでは浮いてしまっているように思えた。

 おばあちゃん役は、今まで一度も映画というものを観たこともない、本当の田舎のおばあちゃん。だから演技もクソもないし、ほとんど無表情のまま居続けるのだが、かえってその無表情ぶりがよかった。
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ベッカムに恋して
 このタイトルを見て「いい作品」を予感するような人はなかなかいないだろう。ベッカム人気に便乗したチョロっぽい作品だと思うのが普通なのではないか。

 ところがこれがなかなかに評判が良い。予告編を観る限りでも、「もしかしたら面白いのじゃないか」と思わせるものがあった。そして、実際、とても面白かった。

 この作品の原題は、「Bend it like Beckham」。つまり、「ベッカムのように曲げろ」ってこと。主人公の女の子は、ベッカムに憧れているのは確かなのだが、世のチョロっぽい女の子とは一線を画し、あくまでサッカー選手として尊敬しているのだ。「恋して」というのとはちょっと違うのではないか。

 安易な邦題のおかげでこの作品は損をしていると思う。イギリスではかなりヒットしたとのことなのに、私が観に行ったのは土曜日の昼過ぎだったにも関わらず、客足は伸びない。興行的には失敗に終わったと言っていいだろう。

 イギリスに住むインド系の女の子が、サッカー選手として生きていきたい、という夢を追いかける物語。
 女性がサッカーをすることに対する偏見があり、インドの女性がスポーツをすること自体に対するインド人たちの偏見があり、インド人とイギリス人が結ばれることに対する偏見もある。そんなイギリス社会の内面を描いており、社会性はかなり高い作品なのだが、お年頃のカワイイ女の子を主人公に据え、サッカーというスポーツを通じて描いているおかげで、とっても爽やかな気分で観ることができる。

 イギリス社会のなかでのインド人社会のあり方を窺い知ることもできる。特に、子供の学歴・学力に対する過剰なまでの熱の入り方は、インド人たちの上昇志向の高さを感じさせる。インド人や中国人がアメリカやヨーロッパで知的階級として大きな力を持ち始めているのは、彼ら民族独特の上昇志向によるものなのだと思う。

 主人公の女の子は、何度も壁にぶつかりながらも、最後は自分の力でチャンスを勝ち取り、家族の協力も勝ち取り、夢に挑戦ンにつづける。重いテーマを孕みながら、しかし徹頭徹尾爽やかな作品なのだ。がんばらなきゃな、と勇気を与えてくれる。
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