読む映画
「感想」に毛の生えた程度のレビューをシコシコ書いています  ネタバレだらけなので、未見の方はご注意ください~
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フラガール
フラガール フラガール
李 相日、羽原 大介 他 (2006/08)
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2006年 日本映画
TOHOシネマズ南大沢にて鑑賞
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 先日TBSの「情熱大陸」で蒼井優の「女優っぷり」を垣間見て、さっそく気になる女優No1となってしまった蒼井優を目当てに観に行きました。
 だって、かの岩井俊二が「蒼井優と仕事すると、自分が凡才だって思い知らされる」ような旨のことを言ってるくらいなんですから。

 さて、その蒼井優ですが、それはもう素晴らしい女優っぷりでした。巷間よく言われているように、松雪泰子を完全に食ってます。
 今まで蒼井優と宮崎あおいを混同していたほどで、「要するにアイドルだろ」くらいにしか思っていなかった自分を恥じています。蒼井出演作を観まくらなくては。

 蒼井優の素晴らしさについてもっと語りたいところなのだけど、きりがないのでそれは置いておくとして、作品としてこの「フラガール」はどうか。

 実はまったくノーチェックで観たので、そのシリアスな設定に驚かされました。

 昭和40年頃の閉山間近の炭鉱の町という設定だとは夢にも思わなかった。かの「スパリゾート・ハワイアンズ」が炭鉱の失業対策だったとは・・・。正直、スパリゾートを見る目が変わりました。宣伝効果抜群ですね。

 閉山間近の炭鉱の町という設定からは、ちょっと前のイギリス映画をついつい連想してしまいます。「ブラス!」とか、ケン・ローチの「ケス」あたりを。

 イギリス映画的な、シリアスながらもユーモアもありハートフルでもある作風でした。ケン・ローチあたりに影響を受けてるのかな。

 散漫な文章になりましたが、ともかくいい映画です。
 今年の日本映画No.1は決定かな(って、ぜんぜん今年は観てないから大きな声で主張はできませんが)。

 去年「ALWAYS」で今年「フラガール」となると、なんだか昭和を描いたノスタルジックな作風が流行になりそうで、それはそれでちょっとイヤな感じはありますけどね。
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テーマ:映画感想 - ジャンル:映画

リンダ リンダ リンダ
リンダリンダリンダ リンダリンダリンダ
ペ・ドゥナ (2006/02/22)
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 タイトルから、「ブルーハーツ」「バンド」「青春」といったキーワードを連想してしまいますが、実際そのまんまの作品でした。

 90年代に青春時代を送った私にとっては、ブルーハーツの音楽は思い出とガッチリ結びついています。なかでもやっぱり「リンダリンダ」は特別で、あのシャウトを耳にすると、つい体がウズいてしまう。

 1976年生まれ、私と同世代の山下敦弘監督がその感覚を共有しているのだろうことは容易に察しがつきます。

 一方で、この作品の主人公たる現代の女子高生たちはどうなのか。「リンダリンダ」で血が騒ぐのか。
 その点ちょっと疑問を感じてたのだけど、実際「リンダリンダ」は今の高校生たちのなかでも生きているらしいですね。

 現代の「軽音楽部」の女子高生たちが「文化祭」のライブで「ブルーハーツ」を演奏する、という設定が、なんだか新鮮なような懐かしいような、不思議な感覚でした。

 一生懸命彼女たちがリンダリンダを練習しているのは、ほほえましいもんでした。

 でも、ちょっと違和感があったのもたしか。
 いったい、このヌルさは何なんだ。この気持ち悪さは何なんだ・・・という思いがずっとアタマを離れませんでした。

 それは、ボーカリストとして韓国人留学生を持ってくるところにあざとさを感じたせいかもしれません。
 リーダー格の恵の、短気でありながら優しさを併せ持つというキャラ設定(あるいは演技)にウソ臭さがプンプン漂っていたせいかもしれません。

 他にもいろいろと突っ込みどころが満載で、ノリきれない映画でしたが、そもそも30代の既婚の男が観て感情移入できるほうがおかしいのかもしれませんね。
 ま、創っているのは同じ世代の男なんですけど。
 
 

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パッチギ!
2004年 日本映画
テレビ録画にて鑑賞
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 井筒和幸監督が描く、1968年の在日社会。
 在日を描いた作品というと、最近では「血と骨」を連想する。「血と骨」では、北野武演じる人物の怪物ぶりに象徴されるように、在日社会のオドロオドロしさが印象的でした。

 この作品でも、朝鮮高校の生徒らの無軌道ぶりが描かれていますが、怖いというよりもヤンチャな小僧たちという描き方がされていて、ずいぶんと明るい。

 私は関西出身なので、「朝鮮学校」というものに対する日本人の微妙な心理(というか恐れ)を身に染みて知っています。それだけに、あまりに明るく描かれてしまうと、「ホントはもっと怖かったぞ」と言いたくもなってしまいますが・・・。

 とは言え、なかなか良い作品でした。井筒作品はあまり好きではないのですが、これは良いです。
 在日の問題というのは、一般の日本人にとっては、あまり知りたくないこと。関わりたくもないこと。
 というよりも、「何それ?」という日本人が多いかもしれませんね。ヨンさまやら韓流ブームやらと言っている一方で、在日の歴史は忘れられようとしている。

 作品中、葬式のシーンで在日一世の爺さんが、「お前らは何も知らない。出て行ってくれ!」と主人公(日本人)に感情をぶつけますが、これが在日問題の核心だと私は思います。

 つまり、歴史健忘症の日本人は、なぜ在日が日本にいるのか、なぜ日本社会への同化を拒むのか、まるで知らない。
 彼らの苦難の歴史を学ぼうとしない。
 それが問題なのです。

 殺された側・虐げられた側の人間は、殺した側・虐げた側の人間よりも、その歴史を忘れないのは当然のことではあります。歴史に対する多少の温度差はあってもやむをえない。
 でも、日本人の歴史認識、という以前に歴史の知識の程度の低さは、話にならないレベルです。

 お互いのことを理解し対話することでしか解決しない。
 ネット掲示板での書き込みなどを見ていると、中国や韓国に対する誹謗中傷があまりに酷くて、頭がクラクラしてくることがままありますが、書き込みをしている連中は中国人や韓国人のいったい何を知っているのでしょう。
 中国や韓国で反日デモをしている学生たちは、日本人のいったい何を知っているのでしょう。

 そんなことを改めて考えさせてくれる作品でした。
 ヤンチャくれの青春映画でありながら、メッセージ性も高くてよかったです。ちょっと説教臭い部分もありましたけどね。
 フランス人と日本人のハーフである沢尻エリカがチマチョゴリを着た朝鮮高校生徒を演じていたことに象徴されるように、在日ではない若い役者たちが在日役を熱っぽく演じているのが印象的でした。

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ALWAYS 三丁目の夕日
2005年 日本映画
TOHOシネマズ南大沢にて鑑賞
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 昭和33年、「戦後」から「高度成長期」に移行する時代の東京を描いた作品です。
 その時代に少年時代を過ごした世代(ちょうど私の両親の世代)にとっては懐かしくて仕方の無い作品のようです。
 私は当然、当時を懐かしむような世代ではないのですが、そんな私にとっても「最高」の作品でした。
 ここ数年のうちに観た日本映画のなかでは、間違いなくNo.1の作品です。

 懐かしいはずがないのに、昭和33年の東京にのめりこんでしまいました。心を揺さぶられっぱなしだったのです。
 何故こんなに心を揺さぶられたのか、改めて考えてみました。

 敗戦の傷跡がまだ癒えきっていない、まだ貧しかった東京。
 でも、当時は夢を見ていられる時代だったんですね。
 たくさん働いて、たくさんお金を稼いで、三種の神器を手に入れる。
 それが、自分も家族も幸せになるということで、引いては日本の発展にもつながる、と信じていられることができた時代なのでしょう。

 それに対して現代の日本は、夢を持つのが難しい時代です。
 たくさん働くことも、たくさんお金を稼ぐことも、必ずしも幸せにつながるとは限らない。
 それに、日本が発展することが本当にいいことなのかすら、わからない。
 そんな閉塞した時代に生きている私にとっては、この作品に出てくる人たちが夢を持って前向きに生きている姿が、とても眩しく見えたのです。

 昭和33年という時代は、言ってみれば高度成長の黎明期です。
 この時代の「物質的な豊かさをひたすら追い求める」スタイルが、その後の日本のライフスタイルとなり、現代ではそのボロが露呈してしまった。

 だから、よくよく考えれば、この時代の人たちの「物質的な豊かさを求める姿」を手放しで賞賛することはできないはずなのですが、そんな理屈なんかどうでも思えてしまいました。

 とにかく、生き生きと生きる彼らは眩しいです。
 閉塞した現代に生きる私たちに、元気を与えてくれる作品でした。

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細雪
1983年 日本映画
テレビ録画にて観賞
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 原作谷崎潤一郎、監督市川崑。主演の四姉妹が岸恵子、佐久間良子、吉永小百合、古手川祐子という、とにかく豪華絢爛な作品です。谷崎作品を映像化するにはこのくらい豪華なキャスティングじゃないとムリってものなのでしょう。

 谷崎潤一郎一流の美しい世界が見事に描かれているとは思います。それに何より、女優たちの競演が素晴らしい。特に岸恵子の存在感は、さすがです。

 しかしド庶民の私にとっては、家業が傾いていながらプライドだけは超一流である彼女たちの生き方は鼻持ちならないとしか思えず、虚ろな人々だなと感じるばかりでした。穿った見方かもしれませんが。

 谷崎潤一郎の小説を読み終えたことがなく、挑戦してもいつも途中でバカバカしく思えて投げ出してばかりいた私には向いていない作品だったのかもしれなませんね。

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いま、会いにゆきます
2004年 日本映画
テレビ録画にて観賞
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 竹内結子と中村獅童の「できちゃった婚」の報道があった後なので、ちょっとシラケ気味の気分で観始めたのですが、シラケ気分は早々にぶっ飛びました。

 徹底的に静謐な世界が描かれていて、とても好ましいのです。
 自分のことを省みても、なかなかこういう静謐で穏やかな夫婦関係というのはありえないだろうと正直思いますが、だからこそこういう夫婦関係に涙してしまうのかもしれませんね。

 現実のこの二人(竹内結子&中村獅童)が「できちゃった婚」をしていることが象徴的と言っていいかもしれませんが、現実の男女関係と、この映画で描かれる男女関係は、完全に遊離しています。
 まるで戦前の映画を観ているかのような錯覚すら覚える純愛映画であり、リアリズムとはかけ離れています。
 しかし、そもそも「死んだ妻が生き返る」というファンタジー映画でもあるので、この二人の純愛ぶりもファンタジーとして、素直に受け入れられるのです。

 だから、手を触れるだけでドキドキしてみたり、照れ笑いをしてみたりという、「ありえない夫婦関係」をとても美しいものとして観ていられました。
 竹内結子も中村獅童も、少なくともこの作品中ではとても美しかったです。

 終盤でファンタジーの種明かしがされるのですが、これもなかなか秀逸。ただしエンドロールでかかるオレンジレンジの曲はカンベンです。
 それまでの静謐な世界がぶち壊し。

 世界の中心で何か叫んだりするよりも、こういった静謐な純愛モノのほうが日本映画らしくていいのではないかと思いますす。
 何か叫ぶような映画はハリウッドにまかせておけばいいのです。

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美しい夏キリシマ
2002年 日本映画
テレビ録画にて観賞
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 1945年の夏、終戦間近の宮崎県・霧島地方。沖縄戦も失敗し、すわ九州に上陸かという切迫した時代を描いている。
 太平洋戦争を背景にしながらも、反戦や平和をテーマにしてはいない。あくまで、その時代に必死に生きる人たちを描くことに徹している。
 この作品は、黒木和雄監督の実体験に基づいて作られているらしい。康夫という少年は架空人物だが、かなり黒木監督自身の少年時代の姿が投影されていると思って間違いないだろう。

 実体験に基づいているだけあって、この作品はリアリティに溢れている。実際、できるだけ1945年夏当時の霧島地方そのままの姿を再現するよう、かなり細かいところまでこだわって演出しているらしい。

 言葉や服装や建物、その他諸々のモノを徹底的に再現した結果、私のような戦争を知らない世代にも、当時の生活の様子がリアルに感じられるのだ。

 この作品にはメッセージ性はまったくない。けれど、だからこそ私にとっては新鮮な作品だと思えた。

 少年・康夫を演じている柄本拓という少年は、俳優・柄本明の息子。父親譲りのボヤッとした存在感が、この作品の味かもしれない。原田芳雄や石田えり、香川照之といったアクの強い役者たちに囲まれたボヤッとした少年が、リアリティを生み出している気がした。
花とアリス
2003年 日本映画
テレビ録画にて観賞
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 正直、30歳の既婚オトコが観るもんではなかった。少女マンガばりの乙女チックな描写には背筋がゾゾゾとなった。
 しかも、作ったのが40オヤジの岩井俊二なのだから、なおのことゾゾゾとなった。40オヤジの描く乙女チックな世界って・・・。
ジョゼと虎と魚たち
2003年 日本映画
テレビ録画にて観賞
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 妻夫木聡と池脇千鶴の、ちょっと変わった恋愛映画。坂道を転がり落ちてきた乳母車を覗き込むと、中からは・・・という予告編がとても印象的だった。

 健康な青年と障害のある女の子との恋、という設定は、ふと熊井啓の「愛する」を思い浮かべた。話の展開も多少似通ったところがある気がする。
 「愛する」が90年代に作られた割には時代錯誤な古臭さを感じさせたのに対して、この作品は多少はマシだったとは思う。
 しかし、遠藤周作、田辺聖子といった小説家が一昔前に書いた小説を無理やり現代にあてはめて描いた、という点は一緒。ウソくささがどうしても拭えなかった。

 この作品は、青年役の心の機微がとても大事なんじゃないかと思うのだが、妻夫木の演技からはあまりいろいろ感じるところがなかった。彼の爽やかな笑顔は、こういう役柄だとただウソ臭いだけにしか感じられない。

 健常者と身障者の恋という、いわば重いテーマを扱っているにも関わらず、描き方があまりに軽い。心の動きをサッとなぞっただけのような描き方で、どれだけ葛藤してどれだけ悩んでああいう結末になったのかがまるで見えてこない。
 池脇千鶴のヌードも、ファンにはうれしいのかもしれないけど、安易な演出だとしか思えなかった。どうせやるなら障害者特有の性の問題を、つっこんで描かなくてはならないんじゃないか。

 もしかしたら、「健常者と身障者の恋」を経験、あるいはそれに近い感情を経験した人には、私が必要とするような演出は必要なく、この作品の自然体な描き方がグッとくるのかもしれないが。
バトル・ロワイアル
2000年 日本映画
テレビ録画にて鑑賞
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 説明するまでもないだろうが、鬼才・深作欣二の遺作。「中学生がバトルロイヤル形式に殺し合う」という、とんでもない暴力的・残虐な作品なので、公開時にはかなり物議を醸していた。
 国会でも取り上げられたのだから、物議を醸したという点で歴史に残る作品と言ってもいいだろう。

 この作品を評価するのは難しい。製作者側は、必ずしも暴力万歳の作品を作ったつもりはないのだろう。藤原竜也と前田亜季のカップルと山本太郎が、結局は殺し合うことなく生きて出てきたし、彼ら三人以外でも、極限状態のなか助け合って生きていこうとする姿も所々描かれている。
 しかし、例えば小学生や中学生は、製作者側の意図を汲み取ってこの作品を観られるだろうか。個人差はあるだろうが、暴力的な衝動を付与してしまう結果になりかねないのではないか。実際、この作品を観たことが影響したと思われる、残忍な事件も起っている。

 やはり、「中学生が殺しあう」ってとこは大問題なのではないか。ただでさえ微妙な年頃の中学生、こういう過激な作品が心理に与える影響は、無視できないのではないか。
 これだけ小中学生の残酷な事件が続いている昨今、暴力描写の心理的な影響というのは、無視していいと私は思わない。

 また、大人と子供の対立がこの作品の前提として存在しているが、それをことさら強調して描くのはいかがなもんか。
 中学生同士の友情・愛情については、いくつも救いがあるのだが、大人と子供の対立に対しては、救いの無い作品になっている。

 ということで、私はこの作品については否定的だ。

 それ以前に、この作品の背景となっている「BR法」がまったく意味がわからない。
 そもそも、なぜ彼ら中学生たちは殺しあわなくてはならないのか。毎年、全国からあるクラスを抽出して、そのうち一人だけ生き延びさせられるってのは、いったい何の意味があるのか。
 第一、国家の意思としてこんなことがまかり通るわけがない。
 大人が子供を恐れた結果としての方策としては、まるで筋が通らないのではないか。

 言ってみれば荒唐無稽なこの作品、少なくとも「なぜ殺しあわなくてはならないのか」ということを、観客が納得できる部分が無ければダメなのではないか。
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