読む映画
「感想」に毛の生えた程度のレビューをシコシコ書いています  ネタバレだらけなので、未見の方はご注意ください~
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スイミングプール
2003年 フランス・イギリス合作
テレビ録画にて観賞
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 「まぼろし」「八人の女たち」のフランソワ・オゾン監督作品です。

 才気溢れる若き映画作家であるオゾン監督らしく、甘美で官能的な世界が描かれています。

 シャーロット・ランプリングとリュディヴィーヌ・サニエという、オゾン映画ではお馴染みの二人が披露している肉体の美しさが、この作品の魅力の一つです。
 特に、60歳近いはずのシャーロット・ランプリングの引き締まった肉体の美しさは驚異的。しつこいくらいに披露されるサニエの肉体も、あの唐突に突きつけられた裸体の前に霞んでしまいました。

 この作品は、「ラストシーンの驚くべきどんでん返し」というのが触れ込みの、ミステリー要素の強い作品だったらしいですね。
 事前にそれを知っていれば、「ラストシーンでどうひっくり返るんだろう」と期待しながら、謎解きに熱中したでしょう。
 しかし、今回まったくそんなこと知りもしなかったので、ラストで唐突に意味不明なシーンが現れて、ただただポカ~ンとするばかりでした。

 あとで調べたところによれば、ラストの解釈は観客に委ねられているとのこと。
 「要するに全部サラ(ランプリング)の虚構の世界なんだ」という見方もあるようですが、私にはとてもそうは思えない。
 私には私なりの解釈がありますが、ちょっと単純すぎるので披露するのはやめておきます。

 この謎めいたラストシーンがあるおかげで、すっかりラストシーンの解釈ばかりが云々されてしまっていますが、この作品の魅力はラストシーンなどではないと思います。

 老境に差し掛かりつつある、ギスギスしたイギリス女そのもののランプリングと、やたらめったら肉欲の世界にのめりこんでいるサニエとが次第に接近していくさまが、とてもイイのです。特にランプリングの表情の移り変わりが、とても素晴らしいのです。

 この二人の女優の存在そのものが最大の魅力だと思います。他の作品でも明らかなように、オゾンの作品は女優たちの演技そのものが大きな魅力なのですから。
 むしろラストシーンは余計だったかもしれません。  
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テーマ:映画感想 - ジャンル:映画

キャラバン
1999年 フランス・イギリス・スイス・ネパール合作
テレビ録画にて観賞
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 ヒマラヤに住むチベット族と思われる人々。自分たちの作った塩を麦と交換するため、キャラバンを組んで何週間もヒマラヤの山々を歩きとおす。それはそれは過酷な生き方です。

 しかし、その過酷な生きざまを感じるためには、ドキュメンタリーに勝るものはないと思う。以前BBCだかが作った、キャラバンを描いたドキュメンタリー番組を観たことがあるが、その番組にあったリアリティをこの作品から感じることはできなかった。

 この作品は、昔ながらの因習に従ってキャラバンを率いようとする長老・ティンレと、因習や占い・まじないを否定して合理的にキャラバンを率いようとする若きリーダー・カルマとの確執が軸になっている。最後は結局互いに認め合うことになるのだが、そのあたりの描写がやや薄っぺらかった。因習を巡る確執というのは面白いテーマだとは思うのだが、消化不良気味の描き方だなと感じた。

監督のエリック・ヴァリは、80年代からヒマラヤに住みついているというフランス人写真家。ヒマラヤに魅せられた写真家なのだろう。ヒマラヤに住む人々に対する畏敬の念をこの作品から感じることはできる。ヒマラヤの自然も美しく描かれている。

 しかし、しょせん欧米世界から見た描写にすぎないと感じてしまった時点でアウトだった。

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スパニッシュ・アパートメント
2002年 フランス・スペイン合作
テレビ録画にて鑑賞
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 スペインのバルセロナでルームシェアをする、ヨーロッパの留学生たちの物語。フランスから来た生真面目な青年の目を通じて描かれる。
 バルセロナでの彼らの生活を追いかけているだけ。しかも主人公のフランス青年は、ドンクサイ雰囲気満々だったりするので、地味と言えば地味かもしれないが、これがなかなかおもしろかった。

 フランス、イタリア、ドイツ、ベルギー、イギリス、スペインと、各国の青年たちのキャラクターが、ステレオタイプだとは感じさせない程度にお国柄を感じさせてくれて愉快。
 学生ならではのいい加減さというか、モラトリアムな共同生活ぶりも懐かしかった。ああ、こんな留学生活っていいなぁと羨ましく思った。

 舞台がバルセロナという開放的な土地なのがいい。これがロンドンやパリなら、ちょっと違った作風になっていただろう。彼らのモラトリアムぶりも、バルセロナの突き抜けるような真っ青な空の下だからこそ、素直に共感できるのかもしれない。

 島国根性が抜け切れない現代日本に生きる私にとって、ヨーロッパ共同体のなかに生きる彼らのボーダーレスな世界がうらやましい。日本と中国・韓国のギスギスした関係も、この作品にあるようなゴチャゴチャしてはいても素顔の交流を持っていれば、ずっとすっきりしていくと思う。私たちはお互いを知らなすぎる。

 作中、イギリス人の留学生のもとに、弟が遊びにやってくる。この弟というのが、それこそ島国根性丸出しのおバカな小僧で、ドイツ人の青年に対し、ナチスだヒトラーだとからかうし、スペインに来たくせにスペイン人の話し方をあざ笑う。どうしようもないおバカな小僧のメンタリティーと、「スパニッシュ・アパートメント」で生活する留学生たちのメンタリティーが対照的だった。
 私たち日本人も、中国人や韓国人も、このおバカな小僧のようになってはいないだろうか。生身の「日本人」「中国人」「韓国人」を知りもせずに、先入観だけで「日本人は・・・」「中国人は・・・」「韓国人は・・・」と決め付けてはいないだろうか。

 話が脱線してしまったが、戸惑いながらもお互いを知ろうとしている彼らヨーロッパ人の若者の姿が眩しく思える作品だった。

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皇帝ペンギン
2005年 フランス映画
立川シネマシティにて鑑賞
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 コウテイペンギンの過酷な生活を描いたドキュメンタリー。
 子供の頃からTVの動物ドキュメンタリー番組をこよなく愛し、今でも「動物奇想天外」を楽しみにしている私にとって、コウテイペンギンのしんどい生き方は既知のこと。
 それでも、ユーモラスなペンギンたちが必死で生きている姿には感動。20日間も飲まず食わずでひた歩き、産卵してからは何ヶ月もジッとしたまま卵を守り続ける。あのかわいらしい立ち居振る舞いからは考えられないくらい、彼らは我慢強い生き方をしているのだ。

 氷の上を隊列を組んで歩く姿も、寒さから身を守るために皆でオシクラマンジュウをしている姿も、とってもかわいらしい。彼らは生きるために必死なのだが。

 何より私が観てて楽しかったのは、オスを奪い合うメスたちが、あの短い翼でペシペシと互いを叩き合う姿。なんともほのぼのとした「争い」だった。

 心に残るものは多くないが、楽しく観ることができた。

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1960年 フランス映画
テレビ録画にて観賞
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 フランス版脱獄映画。
 同じ監房に居合わせた5人の男が、力をあわせて脱獄を図る。たったそれだけの話なのだが、5人の男のキャラクターが際立っていて、モノクロの絵作りの上手さからくる絶妙な緊張感もあいまって、おもしろい作品だった。

 脱獄映画といえば、「暴力脱獄」「パピヨン」、最近では「ショーシャンクの空に」。「刑務所からの脱獄」という非日常は、戦争と同様、映画の題材に適しているのだろう。おもしろい作品に出会う率が高い。

 上に挙げたアメリカ製の脱獄映画を観て感じるのは、日本と違ってアメリカはさすが個人主義の国だなあということ。日本の刑務所モノにありがちな囚人の卑屈さは感じられない。
 ましてやこれは、個人主義の親玉といってもいいフランスの脱獄映画。やはりアメリカ製のものに輪をかけて、囚人がやたら堂々としていた。

 アメリカの脱獄映画は、どうしても囚人同士の友情をやたら強調したり(それがグッとくるのだが)、ドラマチックな展開に流れがちだが、この作品は違った。みんなバラバラで、行動は個人の自由。
 最後の最後で「オレはやっぱり行かない」と居残りを主張した男に対しても、「お前も大人だから、好きにしろ」と、説得することもなく、突き放す。このシーンはフランスならではだなぁと思った。

 話はスリリングで面白いのだが、好きかどうかと聞かれれば、決して「好き」とは言えない。
 それぞれの囚人たちが個性的なのはいいのだが、皆どうも自分勝手すぎる。彼らが収監されているのは、重犯罪を犯したからに他ならない。明らかに冤罪である、あるいは、どうしてもシャバでやらなくてはならないことがある、といった観客を納得させられる理由がないとね。
 ただ「長い時間刑務所にいるのなんて真っぴらごめんだ」なんて理由で脱獄されても・・・おまえら頼むから捕まってくれ、と思ってしまった。
 ましてやそこは刑務所ではなく、環境がそんなに劣悪でもない(監房内でグウタラ寝ていてても許される)拘置所だというのだから、ありし日のアルカトラズや網走刑務所からの脱獄とは訳が違う。
 
女はみんな生きている
2001年 フランス映画
テレビ録画にて鑑賞
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 女性監督が描く、女性のための映画。バリバリのフェミニズム映画と言ってもいいだろう。
 とにかく出てくる男がみんなダメ男ばかり。男のはしくれとしては、いくらなんでも世の中の男はここまでダメ男ばかりじゃないぞ、と少々異議を唱えたくはなる。
 だけど、男の身勝手さ、愚かさを言い当てているのも事実。男のバカっぷりには、苦笑いをせざるをえない。

 「バリバリのフェミニズム映画」と書いたが、内容はサスペンス風のフレンチ・コメディ。とにかく随所で笑いが満載、とことん笑わせてもらった。

 主人公の二人の女性がとっても魅力的なのがよかったのかもしれない。特に平凡な主婦役の女性が、おっとり天然風の人柄ながら一生懸命自立しようとしている姿がよかった。

 もう一人の娼婦役の女性は、物語中盤で明かされるその生い立ちがあまりに衝撃的。地中海を隔てた隣国アルジェリアから、親に売られてフランスへやってきて、挙句の果てには売春組織に取り込まれてシャブ漬けの娼婦に。イスラム社会の女性が、強制的に娼婦にさせられるというのは悲劇だ。

 アルジェリアから身売りされた娘がフランスで娼婦に、というケースはままあるのかもしれない。しかし、少しこの作品で気になったのは、イスラム社会を男尊女卑社会と断じていること。
 フランスと言えば、学校へのイスラム女学生の「スカーフ着用禁止法」を実施し、物議をかもしたことが記憶に新しい。これなどは行き過ぎた反宗教思想・世俗思想の表れなのだろう。
 こういったフランス社会の過激と言ってもいい部分が、この作品にも出てきてしまったように思える。
 女性の立場からイスラム社会を批判的に見る視点は大事だろう。しかしイスラム社会とキリスト教社会との軋轢が改めて表面化しつつある現代、イスラム社会の影の部分をキリスト教社会の人間が批判するのは、慎重さが求められることだと思う。

 映画の話から少々逸れてしまったが、上に述べたことは言ってみれば瑣末なことであり、全体的に見ればとてもユーモア溢れながら社会性のあるテーマを織り込んだ、優れた作品であることに違いはない。

 この作品は観客となる男性の度量を試す作品にもなりえるだろう。「男はこんなバカばかりじゃない」「女だってダメなやつはいるじゃないか」とプリプリ怒ってしまうような男は、程度の差はあれ、男社会を肯定しているのかもしれない。
イースト/ウェスト 遥かなる祖国
2000年 フランス・ロシア・スペイン・ブルガリア合作
テレビ録画にて観賞
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 第二次世界大戦の直後、スターリン政権下のソビエトに、フランスから帰国(移住)した親子の物語。
 当時、ソビエトはヨーロッパ中に散らばる移住者たちを国内に呼び戻すキャンペーンを行っていたようだが、これは第二次世界大戦による消耗の加え、粛清に次ぐ粛清で人材不足に陥ったソビエトを建て直すための苦肉の策だったのだろう。
 そうして移住者たちを迎えておきながら、「帰国者の90%は帝国主義者のスパイだ」と、結局はまた粛清の嵐が吹き荒れる。

 主人公家族の悲劇は、妻がフランス人だということ。妻は夫の祖国への望郷の念を汲み、フランスでの生活を捨てるという決心をする。夫のためとはいえ、スターリン政権下のソビエトに移住するというのは、非常に勇気の要る行為だと思う。
 そんな彼女も、あまりに制限され監視され、陰湿を極める日々に疲れ、やがて夫に当り散らすようになるのも無理の無いことだろう。一方、夫が自分の決断で妻や息子を苦しめる結果になったことに対し、自責の念に駈られるのも当然だ。

 夫は、何とか妻と息子がフランスへ戻れるよう機を伺うが、少しでも疑われるとすぐに逮捕され殺されてしまうので、なかなか大胆な行動がとれない。フランス人である妻は、その国家権力の理不尽さを理解することができず、夫の慎重さが消極的だとしか思えない。自然、二人の心は通わなくなってゆき、互いに不倫をするようになってしまう。

 夫は、10年の時を経て、妻子をフランスへ亡命させることに成功する。夫は、一時は心が離れたように見えても、常に妻子のことを心から想っていたのだ。

 恐るべきことに、この物語は実話がベースになっているらしい。スターリニズムの恐ろしさは知っていたつもりだが、こうして映像化されたものを見ると、やはり改めて衝撃を覚える。時代が時代なら、「反共プロパガンダ映画だ」と罵られたかもしれないが、ここに描かれているのは、まごうかたなき現実なのだ。
さよなら子供たち
1987年 フランス・西ドイツ合作
テレビ録画にて観賞
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 ナチス占領下のフランス、地方の修道院へ疎開してきた少年たちの物語。監督ルイ・マルの自伝的な作品らしい。
 ナチス占領時代を描いた作品は、それこそ数え切れないほどあるが、この作品のように淡々と日常を描いている作品には新鮮さを感じる。暴力は一切描かれていないのだが、日常生活にヒタヒタと暗い影が忍び寄ってくるのが静かに描かれ、胸が苦しくなる。

 この作品で描かれるユダヤ人少年は、少々とっつきにくいところはあるが、詩も音楽も数学もできる優秀な少年。彼がユダヤ人であることは周りの少年たちは誰も知らないにも関わらず、自然とイジメに遭ってしまうのは、ヨーロッパでユダヤ人が差別されてきたのが畏怖心の裏返しであることを示唆しているようで興味深かった。

 冒頭、たくさん出てくる少年が、誰が誰なのかまるで把握できなかった。理解力の問題と言われればそれまでだが、描写にも問題があったのではないかと思う。

 中盤、主人公のカンタン少年がユダヤ人少年と心を通わせはじめてからは、話が一気に理解できるようになり、ラストまで一気に観ることができた。一方序盤は、登場人物がわからないせいで話を理解するのに精一杯になってしまうのがもったいない。

 子供らの演技は芝居臭さがまったく無く、すごく自然体だった。ラストで主人公のカンタン少年が、ユダヤ人少年らが連行される姿をじっと見つめ、そこに誰もいなくなってジワっと目に涙を溜める。このラストシーンはとてもよかった。
WATARIDORI
 延々と、ただひたすら鳥が旅するのを追いかけた作品。徹頭徹尾、とにかく鳥が飛んだり休んだりしているだけなので、よくもまあこんな企画が映画として成立したものだと思う。商業的にはかなりリスクが高かったのではないか。

 監督のジャック・ペランは、あの不朽の名作(私にとって、だが)「ニュー・シネマ・パラダイス」でトト(大人版)を演じた役者。だからてっきりイタリア人だと思っていたが、フランス人らしい。というわけで、この作品はフランス映画ということになる。

 子供の頃から、毎週欠かさず「野生の王国」や「わくわく動物ランド」を見続け、ほとんどテレビを見なくなった今も「動物奇想天外」は欠かさず見るという私にとっては、ただ鳥が飛んでいるという、それだけで十分楽しい。ましてや、TVの動物モノではまずお目にかかれないような、飛んでいる鳥の近接撮影がふんだんに使われていて、しかもCGは利用していないというのだから、驚きだ。

 この映画を観てまず思うのは、「いったいどうやって撮ったのか」という単純な疑問。高速で上空を飛ぶ鳥を、ほんの1mも離れていないようなところからアップで撮っているようなカットばかりなのだから、不思議なのだ。

 答えは簡単。一緒に飛んでいるだけのこと。もちろん普通の飛行機やヘリコプターなどでは無理なので、専用の超軽量飛行機で撮影したという。写真を見ると、そのチャチさに驚かされる。かの「E.T.」で、エリオット少年がE..Tと一緒に飛んだ自転車に翼とモーターをつけただけにしか見えないようなチャチさなのだ。しかし、そんなチャチな飛行機だからこそ、鳥を驚かせることなく、近接撮影に成功したのだと言える。
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アメリ
 主人公は、ロクに人とコミュニケートできない女性。その恋のお相手は、ポルノショップに勤めるヘンな蒐集趣味を持った青年。お父さんは生きる希望を失ってるし、アパートの階下には何十年も部屋に閉じこもりっぱなしの老人画家がいて、近所の食料店では意地悪な店主がいつも従業員の青年をイジメてる。冒頭でアメリは「この瞬間に絶頂を迎えているカップルは?」と妄想するし、勤めているカフェでは、アメリの「いたずら」のおかげで、トイレで過激な肉弾戦が繰り広げられる。
 にも関わらず、アメリの世界はポップで心地よい。

 オドレイ・トトゥ演じるアメリの何と魅力的なことか(代役として起用されたのだとは信じがたいほどハマリ役)。内気ながらも溢れんばかりの好奇心をみなぎらせ、周りの人たちにちょっとした「いたずら」をしかけていく。
 けっこうタチの悪い「いたずら」も仕掛けてるんだけど、それも許せてしまう。アメリが意地悪な店主に仕掛けた「いたずら」の数々には、いたずらした子供のようなドキドキ感を共有してしまう。

 この作品には、立派な人など一人も出てこない。みんなちっぽけで不完全で、だからこそ愛しく思える人たちばかり。それがいい。

 ただ、この作品は「白人社会の懐古趣味である」という批判がなされていることも付け加えておきたい。的外れな批判だ、と言いたいところだが、ここのところフランスが、移民増加→失業者増大・治安悪化という状況の中、ナショナリズムが台頭しつつあるという現状にあることを考えると、あながち的外れでもないのかもしれない。
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